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2019年07月25日
【相馬剛に教えてもらった】前編
最近、急に走り方の記事が増えて驚いたかもしれません。
しかもかなりマニアックだし。
なんで急にこんな記事を書いているのか。
これはわたくしの結果報告です。
あなた一人、唯一人への結果報告・・・・・。
あなたへの私の素直な感謝の気持ちです・・・・・。
あなたが、あの日教えてくれた走り方を大切に、忠実にやり続けた人間がいる事を・・・・・。
あなたが、あの日教えてくれたことを、ひたすら追求している人間がいることを・・・・・。
あなたの教えてくれたことが、どれほど私を救ってくれたことか・・・・・。
あなたの教えてくれたことが、どれほど素晴らしいものか・・・・・。
そしてあなたが教えてくれた事の本当の意味を理解し、分かった今、それを残しておきたい・・・・・。
あの日、見えなくなったあなたの後ろ姿を追いかけ続けている人間がいる事を・・・・・。
2013年12月21日、とあるトレイルランニングイベントに参加しました。
山梨県本栖湖周辺の竜ヶ岳やパノラマ台、青木ヶ原樹海のトレイルを走る一泊二日のトレランイベントでした。
ツアー名は「クリスマスハッピートレイル」。
ビギナーコースとロングコースの二つが用意されていて、トレイルガイドが石川弘樹選手。
富士の麓の素晴らしいコースを一泊二日に渡りプロトレイルランナーと走れるので、ツアーはすぐに申込みで一杯になりました。
急いで申し込んで何とかロングコースツアーに参加できることになりました。
本当は、ビギナーコースに参加したかったんです。
なんでかっていうと、そっちの方が女子が多かったからです。
このトレランツアーへの参加目的は120%出逢い目的(婚活?)でした。
トレランなんか、どーでもよかったのです。
ロングコースだと、女子は少ないはずですし、女子がいたとしても本格派の女子でちょっと近寄りがたいですし・・・・。
でも一泊二日のイベントなので、宿泊先での交流会もあったのでチャンスはあると判断し、気合い入れて参加しました。
河口湖の集合場所から、トレイルのスタート地点である朝霧高原道の駅までマイクロバスで移動です。
ビギナーコース組とは、集合場所から完全に別行動です。
ビギナーコース組は、予想通り女子が半分以上で、石川弘樹選手は、ビギナーコースのガイド役になっていました。
初めて会う石川弘樹選手は、爽やかでした。
笑顔の時に、前歯が朝日でキラッと輝いてました。
ロング組は、女子は全体2割。しかも独身らしき女子は、2人くらいです。
ロング組には、特にプロ選手のガイドが付くわけでもなく、単なる逞しい男たちの集団と言った感じです。
と言うわけで、トレラン自体は、完全な消化試合、やっつけ仕事だと思ってやる気なしです

メインは、あくまで宿泊先でのレクリエーションだ、と狙いを定めていました(テッパンのネタも用意してありました)

スタート地点に着いたら、我々を待つ人影が。誰だ❓
そしてスタッフの方が、
「本日、急遽、ビッグゲストがトレイルガイドをしてくれることになりました。相馬剛選手と大石由美子選手です。」
なんだと


あの相馬剛



つい最近、プロに転向したばかりの最強トレイルランナーの一人。
アマチュア時代から他を寄せ付けない圧倒的な強さを見せつけ、日本で最もハイレベルなトレイル大会である、あのハセツネで2回優勝。
信越五岳トレイルランニングレースでは3連覇と言う偉業を成し遂げた

その彼の強さから「天才悪魔」、「漆黒のランナー」とまで呼ばれるほどの人物。
相馬剛選手と大石由美子選手は、別のトレランイベントに参加予定だったのですが、その週に降った季節外れの大雪のせいで、そのトレランイベントが中止となったそうです。
このトレランツアーの主催者が相馬剛選手と懇意で会ったことから、「スケジュールが空いたなら手伝ってよ。」と頼まれて、急遽参加してくれたそうです。
なんと、これは

わたくしのやる気が一気にMaxパワーになりました㊗。
相馬剛選手の走りを間近に見て、トレランテクニックを学ぶチャンス

そしてトレイルツアーがスタートです。
ロング組の人数は30名ほど。先頭と最後尾では結構離れます。
列の後ろの方を走っては、相馬選手の動きを見る事は出来ません。前に行かなければ・・・・。
しかしやる気とは裏腹に、わたくしは列の後ろの方にいました。
あまり最初からガツガツいくと、周りの人にも嫌われるし、相馬選手にも嫌がられるだろうし。
それともう一つ理由があって、なかなか前に行けなかったのです。
相馬剛は「怖い」

アマチュア時代からの逸話を知っていたので、近寄り難かったのです。
わたくしの知合いの女性が、相馬選手のファン(相馬選手は男前で女子に人気があります)で、トレラン大会に参加していた相馬選手に記念写真をお願いして一緒に写真を撮ったそうです。
ファンの人との写真撮影なら普通は笑顔で何かしらのポーズをするものですが、相馬選手は、完全な無表情・・・・・

一切笑わない、何の愛想も無し・・・・・・・


さらに何のポーズもとらず、ただ突っ立って撮影・・・・・



その記念撮影をしたおじさんは「相馬さんって怖いな~」とその時の感想を教えてくれました。
第一回ウルトラ・トレイル・マウント・フジ(UTMF)では相馬選手と奥宮選手とのスタート直前の会話を噂で聞きました。
奥宮選手(プロ)「相馬君、いよいよスタートだね。お互い頑張ろう!」
相馬選手(当時アマチュア)「はぁ~?これから戦いが始まるんだよ。何言ってんの。」
奥宮選手「・・・・・・・・・・・・・・」
スタート前から険悪なムード。
そして日本最大のトレイル大会がスタート。

<NHKBS放送のUTMFドキュメンタリー番組より>
奥宮選手は、フレンドリーに接したのに不作法で返した相馬選手を、後ろから煽り、プレッシャーをかける。

近すぎる二人。

近すぎる!完全に煽ってます。
相馬選手も一歩も引かず、大会そっちのけで喧嘩バトル。
あくまで噂です。
そんな話をいくつも聞いていたので、わたくしは近くに寄れなかったのです。
もの凄く話しかけたいし、質問したいし、教えてほしい・・・・・・しかしどうしたものか。
わたくしの内心とは関係なく、トレイルツアーは淡々と進んでいきます。もうすぐ半分の地点です。
このままでは、何もせずに終わってしまう。
とにかく前に行って、取りあえず相馬剛選手の近くで走ろう。
会話が出来なくても、あの人の走りから何かを学べるはずだ。
意を決して、列の前の方に少しずつ移動して、先頭から3~4番目くらいまで移動して、常に相馬選手の近くにポジションをとるようにしました。
ほのぼのツアーも後半に入ったところで相馬選手が「少し本気で走ってみましょうか」の一言。
ムムッ


相馬選手は、それまでと明らかに違うスピードでトレイルを駆けていく。
わたくしは、相馬選手の後ろを走る。
相馬選手は、当然早い。これでもかなり手加減して走ってくれているのだと思う。
走り始めてすぐに相馬選手とわたくしだけになりました。
目の前を相馬選手が走る。
む


あんな走り方見たことないぞ

相馬選手の体がバネのように弾みながら、ポンポンとリズムよくスムーズに流れるように、進んでいく。
それに比べ、わたくしの走りは、バタバタしながら動きに余裕が無く、無駄が多いような感じ。
相馬選手の動きは、速いとか遅いとかのレベルではなく、今まで見たことが無い動きでした。
走りながら、頭の中はパニックです。
なんだアレは❓なんの動きだ❓どうやっているんだ❓
しばらく行ったところで、相馬選手が止まり、後ろの参加者を待ちます。
わたくしは、興奮してすぐに質問しました。
ついさっきまで怖くて話しかけづらい、なんて感情はどっかに行っていました。
「相馬さん、なんですか


相馬選手「あ、アレね。」
そしたら何人かの参加者がすぐに合流しました。
他の参加者にも説明するような感じで話してくれます。
相馬選手「普通の走り方は、着地と重心移動と蹴るという流れで走るんだけど、それだと反応が遅れるんだよ。」
「だから重心移動を出来るだけ早くやるんだよ。普通の走り方は、脚だけ前に出して体が後ろになっている。着地してから体を移動させている。」
「この動きだと着地の時に脚の位置と体の位置がズレて不安定になるんだよ。だから出来るだけ脚を早く前に戻して重心を前に持ってくるんだ。」
実際に動きをしながら教えてくれます。
「例えばだけど、地面が熱く焼けていて、その地面を走ると熱くて、アチッ、アチッ、アチッと脚を交互に素早く動かすような感覚かな。」
そう言って、地面が熱い感じで走ってくれます。
「理想の走り方と言いうのは、着地と重心移動と蹴るを分けて行うのではなくて、同時に行うんだよ。着地、重心移動、蹴りを同時に行うんだよ。」
「別の言い方をすると、着地する前には重心移動が終わっていて、着地と蹴る動作が同じ動きになる。」
「もしこの動きをトレイルの登りでも出来たら、最高だよね。」
わたしは、頭が爆発しそうなほど、興奮していました。
多分まばたきも忘れていたと思います。
他の参加者は、単にプロトレイルランナーが走り方を教えてくれている、という当たり前の光景だったかもしれません。
しかしわたくしだけが、相馬剛のあの動きを見ていたので、その言葉の重みと価値が全く全然違いました。
これはとんでもなく大事な事を聞いている。
大変な事を教えてもらっている。そんな感覚で聞いていまいた。
この事をきっかけに、その日のトレランツアーは相馬選手にべったりくっついて質問攻めでした。
しかし、意外なことに「怖い、無口」の相馬選手のイメージと全く異なり、質問にも丁寧に全部答えてくれて、トレランの様々なテクニックも教えてくれました。
相馬選手「トレランの下りは休む所なんだよ。下りは集中力を使わないように余裕を持って走るんだ。登りは誰だって心拍数が上がって苦しくなる。その状態で下りを攻めると呼吸が続かなくなってしまう。人間は集中し過ぎると呼吸を忘れてしまう。下りを集中力を使って走ると呼吸を忘れてしまうんだ。そうなると後半一気にペースが落ちる。下りは、集中し過ぎないように走るんだ。」
相馬選手「下りで呼吸を忘れないようにする為には、あえて喋るのもテクニックだよ。喋るって事は、呼吸する事だから。下りでは集中し過ぎないように叫ぶのもテクニックだよ。」
そう言って下りで「ヒャッホーー

わたくしも同じように叫ぶ

相馬選手は、下りの急カーブで大きくジャンプして壁を三角蹴りの様な動きをして急カーブを減速なしで走り抜ける。凄い

そして下りが終わったところで、雪に頭からダイブ❢ドサッ❢❢
わたくしも雪にダイブ

他にも登りの歩き方や腕の使い方など、色々教えてくれました。
相馬選手は最初のイメージと全然違う人でした。
色々教えてくれて、喋ってくれて、雪にダイブしたりしてひょうきんで。
トレランツアーの初日が終わり、相馬選手と大石由美子選手とは、ここでお別れです。
これ程充実したトレイルツアーは現在に至るまでありません。最高でした。
もう当初の女子目的は、完全に忘れてしまいました。
わたくしの計画では、宿泊先でのレクリエーションで女の子と仲良くなる段取りでしたが、昼間のトレランで興奮しすぎて疲れて、もう女の子と喋るのが面倒くさくなって、無口な男子キャラに徹しました。
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Posted by 静岡トレイル・ランニング・サークル(静トレ) at 18:19│Comments(0)
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