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2019年09月28日
【ランニングと膝】膝の構造についてその②
前回の膝の構造のブログを読んで疑問を持った方もいるかもしれません。
今回は、その疑問点を観ていきます。
疑問その①
「膝痛(変形性膝関節症)を防ぐには運動はしない方がいいのか?」ランニングをすると膝の軟骨はすり減ってしまうのでしょうか?

(ジオン公国ギレン・ザビ総帥)
膝を使いすぎて、軟骨がすり減ると一般には言われていますが、実際には「本来の使い方をしていない」から膝軟骨がすり減ります。
運動によって軟骨がすり減る症状が進行するとは、限りません(トップ選手は例外)。
むしろ運動は、膝痛を予防します。
ヨーロッパでの調査では、習慣3回以上の運動習慣のある人では膝痛が起きにくい事が分かっています。
運動習慣のある人は、脚の筋力が衰えにくく、肥満にもなりにくいからです。肥満は膝の負担が増します。
また運動は、膝軟骨や半月板にもいい影響があります。
軟骨には血管が無く、半月板にも外側周辺に少し血管があるだけで、栄養補給は滑液(かつえき)が担っています。
しかし、滑液にただ浸かっているだけでは、軟骨の内部までは栄養が届きません。
軟骨も半月板も水分が豊富で、水分が循環する事で内部まで栄養が届きます。
そしてこの水分の循環は、圧迫の繰り返しによって行われます。
膝関節に衝撃が伝わる事で、半月板などが圧迫伸縮され、滑液の循環が起き、軟骨組織が健康に保たれます。
逆に運動習慣のない人は、滑液の循環が滞り、半月板への栄養が不十分になります。
その結果、半月板や軟骨組織の劣化が早く進み、硬くて削れやすい軟骨組織になってしまいます。
軟骨組織が劣化してしまう前の、若い頃からの運動習慣が膝痛予防には最も効果的になります。
ウォーキングを運動に入れるべきかどうかについては、議論が分かれると思います。筋力維持や有酸素運動になるかどうかという事です。
わたくしは、ウォーキングは、カロリー消費効果はあるけれど、運動効果(筋力維持)は少ないと考えています(個人的な意見です)。
高齢者が行う自転車の運動効果についても議論が分かれると思います。
筋力維持や有酸素運動にはなりますが、骨粗鬆症予防と軟骨への栄養循環と言う観点からは疑問が残ります。
備考:運動が膝痛予防になると書きましたが、ただ運動すれば膝軟骨の摩耗を防げるわけではありません。変な動き方で運動をすれば、膝の軟骨は当然すり減ります。ただ運動をすればよいのではなく、正しい本来の動き方で運動する事が膝機能を高めることになります。
疑問その②
「膝痛は、何が痛いのか?」
膝関節の軟骨や骨は痛みを感じないと書きました。
では、膝の何が痛いのかと言うと、膝関節を包み込んでいる滑膜(かつまく)や関節包、関節包と接する所の骨膜、関節の脂肪組織が痛みを感じています(諸説あります)。
骨折して痛いのは、骨自体ではなく、骨膜が痛みを感じています。
ちなみにシンスプリントも骨が痛いのではなく、骨膜が炎症を起こして痛みを感じています。
脂肪組織も痛覚が豊富で痛みを感じやすいです。
腸脛靭帯炎、鵞足炎も靭帯や腱が痛いのではなく「脂肪組織」が痛みを感じている、という説もあります。
緑色の部分が滑膜。関節包の内側にあり、滑液を分泌する役割もある。
半月板がすり減ってしまうと、関節を曲げる度に骨がズレて周辺の組織を過度に引っ張ったり、押しつぶしたりしてしまいます。
この繰り返しによって周辺組織で炎症が発生し、痛みを感じます。
膝痛の症状の一つである「膝に水が溜まる」のも滑膜や関節包が炎症を起こし、その防御反応として滑液が過剰に分泌されるからです。
関節包は、わずか10ccも余分に滑液が分泌されるとその圧力で痛みを感じてしまいます。
10ccは、ペットボトルのキャップに水を入れて、その二杯分でしかありません。
滑液が過剰に分泌されると、関節包内部の圧力が高まり、さらに痛みが悪化するという悪循環になります。
膝痛の人は、階段などの上り下りで膝が痛いと言いますが、それは膝関節を曲げると関節がズレしまっているからだと考えられます。
疑問その③
「膝に良いとされるサプリメントは効果があるのか?」膝痛予防に効果があるとされるサプリメントには、コンドロイチン、グルコサミン、プロテオグリカンなどがあります。
膝軟骨や半月板は、一度すり減ったら再生されないと書きました。
という事は、膝関節に良いとされるサプリメントでは、膝の半月板を修復できないという事でしょうか?膝痛予防にはならないのでしょうか?

(ジオン公国ギレン・ザビ総帥)
サプリメントによって、少なくなった滑液が増えることはありません。
サプリメントによって、膝軟骨が再生することはありません。
膝関節の滑液は、正常時では1~4ml程度しかなく、「膝関節を湿らせて潤している」程度の量です。
ペットボトルのキャップの半分程度の量です。
その程度の僅かな量しかない滑液が足りなくなるというのは、長期に渡る運動不足か、長期間の深刻な栄養失調状態が原因であり、サプリメントで解決できる問題ではありません。
前述の通り、滑液が増えると膝関節は痛みを感じます。
滑液を増やして痛みをなくす、という事はあり得ないと言えます。
サプリメントで滑液の成分が良くなるというのも、考えられません。
少量である滑液の成分が劣化するというのは、体全体の栄養不足が原因であり、栄養失調状態です。
サプリメントでは解決できなく、食事でしか解決できないことになります。
膝痛を訴える患者さんで、栄養失調状態の人は、殆どいないそうです。
疑問その④
「ランニングで膝が痛くなる原因は?」
膝関節は、足関節、股関節に挟まれ、双方の関節の動きを強く受けてしまうという構造的な特徴を持っています、と書きました。
そして体のひずみが集中しやすい場所である、と書きました(代償動作が出やすいと言います)。
という事は、ランニングで膝が痛い場合、その原因は膝ではないという事になってきます。
これは極めて重要です。
ランニングでの膝の動きは、膝自体が動きを決めているのではなく、足関節、股関節の動きによって決まります。
腸脛靭帯炎、鵞足炎、膝裏が痛いのも、「痛みと言う結果(症状)が膝に出ている」のであって、その原因は殆どの場合膝にはありません。
膝は、被害者であって、加害者ではないのです。結果と原因の場所は異なります。
股関節の稼動不良、足部の不安定性、着地の場所、方法などが原因になってきます。
【ランニングと膝】SSC機能その①
【ランニングと膝】膝のランニング機能その②
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【相馬剛に教えてもらった】後編
【相馬剛に教えてもらった】中編
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Posted by 静岡トレイル・ランニング・サークル(静トレ) at 20:21│Comments(1)
│静トレマガジン
この記事へのコメント
しまだの練習会で講演宜しくお願いします
Posted by ヨッシャー at 2019年10月02日 17:26